アビガン新型コロナ治療薬!
新型コロナの治療薬 ワクチンは? ~期待が高まる「アビガン」~
新型コロナウイルス感染症の治療薬、ワクチンの開発が国の内外で急ピッチで進められている。その実用化はいつ頃になるのか?中でも新型インフル治療薬「アビガン」への期待が高まっている。
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政府要請を受けて3月上旬に生産を再開し、増産準備治験では、100人を目標に最大14日間投与するhttps://t.co/UNddu9BZNQ
— 時事メディカル (@jijimedical) March 31, 2020
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医療現場から「一刻も早く治療法が欲しい」と切実な声期待されるのは、既存薬の転用https://t.co/QfiCjBMjFD
— 時事メディカル (@jijimedical) April 1, 2020
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抗HIV薬と差 治療で積極的使用を備蓄は200万人分https://t.co/bREjFB6Skp
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人間の基本的な免疫機能を強化する作用があるとされる全世界で毎年1億3000万人の子供に接種https://t.co/qjerL97UnP
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すでに2種類が「第1段階の臨床試験を始めている」量産までには「少なくとも1年はかかる」https://t.co/UI7ADk4c6b
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ワクチン10億回分以上を供給できる製造能力を整備するhttps://t.co/lBL9uI74d3— 時事メディカル (@jijimedical) March 31, 2020
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原薬で動物実験を進めている9月ごろの臨床試験開始を目指すhttps://t.co/Abx61E7Bz9
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期待高まる「アビガン」
新型コロナ治療薬新型コロナウイルス(COVID-19)の感染者数が増加し続けている。タレントの志村けんさんが発症後短い期間で死去した出来事は、社会にショックを与えた。
感染の制圧に不可欠なワクチンと治療薬の開発・実用化には時間がかかるため、HIVやぜんそくの治療薬など既存の薬でウイルスに有効な薬を探す動きが加速している。特に、有効性を示す論文が報告された新型インフルエンザ治療薬「ファビピラビル(商品名『アビガン』)」については、安倍晋三首相が3月28日の記者会見で言及、「新型コロナウイルスの治療薬として正式承認するにあたって必要となるプロセスを開始する」と表明するなど期待が高まっている。
◇抗HIV薬と差
海外の専門科学雑誌に掲載された論文によると、中国で発症7日以内の入院患者35人に対して14日間、アビガンと同じ主成分の薬を投与し、同じ条件で抗HIV薬を投与した45人と効果を比較した。
その結果、上気道部からウイルスが検出されなくなるまでの期間はアビガンが平均4日だったのに対し、抗HIV薬では平均11日と統計学上認められるだけの差が出た。
さらに、胸部CT画像での症状の改善が認められたのは、アビガンが投与された患者の91.4%に対して抗HIV剤が投与された患者では62.2%にとどまった。副作用が認められた患者もアビガンの方が少なかったという。
◇治療で積極的使用を
この論文に注目した神奈川県警友会けいゆう病院(横浜市)感染制御センター長で、世界保健機関(WHO)の重症インフルエンザガイドライン委員でもある菅谷憲夫医師は「研究として見れば、比較対象の設定や試験の手順について多少の問題はある。しかし、治療上の有効性が示された点に大きな意味を認めたい」と話す。
◇治療で積極的使用を
この論文に注目した神奈川県警友会けいゆう病院(横浜市)感染制御センター長で、世界保健機関(WHO)の重症インフルエンザガイドライン委員でもある菅谷憲夫医師は「研究として見れば、比較対象の設定や試験の手順について多少の問題はある。しかし、治療上の有効性が示された点に大きな意味を認めたい」と話す。
記者会見でアビガンに言及した安倍晋三首相=28日、首相官邸【時事】
その上で、「日本で承認された薬で、国内で十分に量も確保できる。現在のように、さらなる感染拡大が危惧されている状態であれば、高齢者や基礎疾患を持つなど重症化しやすい患者を中心に積極的に治療に使いながら、安全性や効果などを確認していくべきだ」と強調する。
インフルエンザなどウイルス感染症への治療では、できるだけ早期に発見・診断して治療を始めるのが鉄則だ。アビガンについての今回の報告は、重症化した患者ではなく、発病後早期の患者で、抗ウイルス薬本来の使われ方をして効果が認められたことが大きい。しかもインフルエンザ治療薬として承認され、国内で生産されているアビガンは、短時間で幅広い医療機関に供給して治療に用いることが可能だ。
◇備蓄は200万人分
菅谷医師も「PCR検査による診断後の投与が原則だが、現状では肺炎の兆候が診察で認められたり、胸部CT検査で画像に異常が認められたりした段階で、医師の判断で投与することも考えるべきだ」と言う。
現在の日本で、欧米のような感染爆発が起きれば、すぐに医療崩壊することは目に見えている。早期に治療を始めることで、重症化やそれに伴う入院など医療機関への負担増大の抑制効果も期待できる。アビガンの使用開始の大きなメリットは、そこにあると菅谷医師は説明する。
アビガンは日本で開発され、2014年に「新型または他の治療薬が無効な」インフルエンザに限って製造・販売が認められた。ただ、動物実験で胎児の死亡や奇形の子どもが生まれたことなどが報告されたため、国が備蓄として200万人分を保管している。国は副作用の大きさを懸念し、必要時にのみ医療機関に供給する、とされている。現在、一般医療機関での使用は規制されており、治療に使えないのが実情だ。(喜多壮太郎・鈴木豊)
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